運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「そろそろ時間かな。ごめんね、そろそろ行かなくちゃ」
抱きしめられていた腕は解かれ、魔法が消えるみたいな気分になった。
まるで今はシンデレラの王子様の気分。
でも彼は「顔をあげて」と落胆した私に言った。
「誓いのキスも言葉も嘘じゃないよ。でもまだ俺が誰かは秘密。その代わりにこれ、預けとくから次の金曜日、それを持って近くの喫茶店のアポロに来て。次はデートするから」
そう言った彼が、ポケットから何かを取り出して、私に差し出したのは明らかに高級感漂う金色のジッポ。
それにはよく見ると『SOU』と名前が掘ってあった。
「こ、こんな高そうなもの預かれません」
私が彼に突き返すと、さっきまで笑顔だった彼はムッとした表情に変わった。
「今、禁煙することに決めたんだ。でも、君が持っててくれないとまた吸ってしまうかも」
「そ、それは困りますね」
「うん。だから持ってて。それとそれが次、会うための約束だから」
彼はそう言うと、ジッポを持っている私の手を包み込んで、ジッポを握らせた。
「俺のことを信じて。君が来てくれたら、そのときは必ず、名前を言うから」
私の左手の中にあるジッポ。
きっと彼なりに私への誠意を示してくれたんだと思う。
「……はい。必ず行きます」
私の言葉にホッと安心したように彼は「じゃあ金曜に、会えるの楽しみにしてる」と言い残し、屋上から出て行ってしまった。
こんな運命の出会いがあるなんて、まだ夢を見ているみたい。
それでも握りしめているジッポと彼と交わしたキスの後の熱を帯びた唇が夢じゃないと教えてくれているような気がした。
抱きしめられていた腕は解かれ、魔法が消えるみたいな気分になった。
まるで今はシンデレラの王子様の気分。
でも彼は「顔をあげて」と落胆した私に言った。
「誓いのキスも言葉も嘘じゃないよ。でもまだ俺が誰かは秘密。その代わりにこれ、預けとくから次の金曜日、それを持って近くの喫茶店のアポロに来て。次はデートするから」
そう言った彼が、ポケットから何かを取り出して、私に差し出したのは明らかに高級感漂う金色のジッポ。
それにはよく見ると『SOU』と名前が掘ってあった。
「こ、こんな高そうなもの預かれません」
私が彼に突き返すと、さっきまで笑顔だった彼はムッとした表情に変わった。
「今、禁煙することに決めたんだ。でも、君が持っててくれないとまた吸ってしまうかも」
「そ、それは困りますね」
「うん。だから持ってて。それとそれが次、会うための約束だから」
彼はそう言うと、ジッポを持っている私の手を包み込んで、ジッポを握らせた。
「俺のことを信じて。君が来てくれたら、そのときは必ず、名前を言うから」
私の左手の中にあるジッポ。
きっと彼なりに私への誠意を示してくれたんだと思う。
「……はい。必ず行きます」
私の言葉にホッと安心したように彼は「じゃあ金曜に、会えるの楽しみにしてる」と言い残し、屋上から出て行ってしまった。
こんな運命の出会いがあるなんて、まだ夢を見ているみたい。
それでも握りしめているジッポと彼と交わしたキスの後の熱を帯びた唇が夢じゃないと教えてくれているような気がした。