運命の出会いは誓いのキスから 《番外編追加》
「あの、これ、お預かりしていたものと、あと、こないだのお礼です」


ソウさんが私の向かいの席に座り、アイスコーヒーを注文したので、忘れないうちにとカバンの中からジッポとお礼にと作ったクッキーを渡した。


そんなに料理が得意なほうではないけれど、何かお礼がしたいと思って、クッキーを作った。
何回か焦げてたり生焼けだったりと失敗もしたけれど。

でもソウさんは、クッキーをじっと見つめたまま、黙り込んでしまった。

「あ、あの・・・もしかして、手作りクッキーとか重かったですかね?いや、あのときすごく嬉しかったから、何かお礼したいと思って作ったんですが、今考えたら手作りクッキーって」

ベラベラと話す私を遮り、黙ったままそれを見つめていたソウさんが、ちょうど、アイスコーヒーを持ってきてくれたマスターに話しかけた。

「……マスター。これ、ここで食べてもいい?」
「ええ、うちにはクッキーなんてありませんし、お召し上がりください」

ニコニコと答えるマスター。
二人は顔なじみなんだろうか。
普通なら嫌がるはず。

そういえば、ソウさんがここに着いたときも親しげに会話を交わしていた。

私がいろいろと考えていると、トントンとソウさんが私の手を指先で叩いた。

「これ、食べていいって言われたから、優衣、食べさせて」

パッとソウさんの顔を見ると、ニコニコと笑っている。私は今、聞いた言葉が聞き間違いかとソウさんの言葉を聞き返した。


「た、食べさせて?」


「うん。お礼してもらうようなことをした覚えないけど、優衣が何かのお礼って言うならせっかくだし、食べさせてほしいな」


ソウさんは、私が慌てふためくようなことばかり言うので、思考回路が本当に追いつかない。

食べさせてなんて言われると思わなかったし、食べさせることなんて恥ずかしくて無理。
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