男女七人夢物語
しかし、何がとは言わなかった。
木下を脚本に推したのは、ただの興味だった。
木下が小説を書いていることを隠したいと思っているのは様子ですぐに分かった。でも、木下を脚本に推したのは本当にただの興味で、別に意地悪しようと思ったわけじゃない。
むしろ、木下の隠したいという気持ちは、少なからず共感できる境遇に自分はいる。
けど、だからこそ見てみたかったのだ。
周りに貶されないように必死に隠してるクセに、捨てきれずにいるものを。
「………えっと」
大体、本当に謝罪すべき問題が起きたとき、ただ謝るのは自己満足でしかないと個人的には思う。
だから、この謝罪も俺の自己満足だ。
「本当に悪いと思ってる?」
………ただし、その自己満足を可としてくれない奴もいる。
「ストレートだね」