ー人造人間の奇跡ー
急いで時雨の元に走って来た

時雨は必死に姉を探していた

時雨「燐!燐!!どこだ!?」

声を荒げながら姉の名を呼ぶ

凛海「時雨…!!落ち着いて!!」

時雨の腕を掴み落ち着かせようとする

すると腕を乱暴に払われ

時雨「うるさい!!

所詮偽物!燐の代わりなんだよ!!…あ」

しまったという風に口を押さえる

凛海「……わかってるよ…?…ご…ごめんなさい…先…帰る…」

心に刺さる

〝偽物 代わり〟

泣きそうになり時雨の言葉を待たず

また走り出す

時雨「……………」

黙ったまま凛海が走るのを眺める

二人はすれ違う

人造人間は自分を代わり 偽物ではなく自分自身を見てほしい

月の神は傷つけるつもりはなかった ただ苛立ちを全て凛海に当ててしまった

泣きながら走る人造人間は

森にたどり着く

その時

あの時の黒い女性に出会った
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