ー人造人間の奇跡ー
ー想いー
凛海「あれ…!?アリアさんは…!?」

あたりをキョロキョロしたが

いなかった

まるで今までのことが幻だったように

けど幻ではない

頰をつたっている涙 記憶…

幻ではなく本物…

凛海「…時雨…戻らないと…」

手でゴシゴシと目をこすっていると

時雨「凛海!!!」

私の名前を叫びながら

走ってきた…私の…愛している人が…

凛海「時雨……」

また涙がこぼれそうになったが

必死に抑える

時雨「凛海…無事で良かった…頼むから…

〝燐みたいに俺の前から消えないでくれ〟」

そう言い強く強く抱きしめてくれた

凛海「……ごめんなさい…ほら…早く帰りましょう…?」

貴方の為なら

姉さんの代わりでもいい

だから 偽物の愛を 私に

ください……

そう願いを込め 抱きしめる

時雨「あぁ…帰ろう…」

優しく笑い離れると手を握り締め歩いていく

凛海「ええ…時雨…」

手を握り返し歩いていく

ねぇ

私の想いはいつか届きますか…?
< 38 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop