お気の毒さま、今日から君は俺の妻
「ご両親とは、悪い関係ではないんですね?」
確かめるように尋ねると、龍一郎は、澄花が義理の両親とうまくいくかどうか不安に思ったと感じたらしい。澄花のあご先をすくうように持ち上げ、軽く口づける。
「ああ。大丈夫だ。本当にとてもいい人たちだから……私も好き勝手やらせてもらっているし、なにも心配することはない」
そして深く、口づける。
「ん……」
唇は何度も重なり、離れたかと思ったら、また重なる。寸暇を惜しむようなキスは、次第に熱を帯びていく。
「龍一郎さ……ん」
このままではいけないと思いながら、龍一郎の少し吊り上がった瞳を見つめる。
夜が明ける直前の、薄暗闇のようなネイビーブルー。ほんの少しの明かりでも反射して輝く、美しい眼差し。
「澄花……君がほしい」
熱いなにかを秘めたかすれた吐息交じりのかすれた声。
「そんな……もう、準備をしないと」
少しずつ心臓の鼓動が早まって、息をするのも忘れそうになる。