お気の毒さま、今日から君は俺の妻
「――」
澄花の話を聞いてしばらく無言で考え込んでいた珠美は、思い切ったように顔をあげた。
「わかりました。その契約結婚のこと、ちゃんとおかしな話だって思ってるし、変だなって思ってるんですね。それでも先輩が納得して、結婚した以上努力してみようって思ってるんだったら、私、応援します」
「タマちゃん……」
「私はいつだって先輩のこと信じてますからね。だから大丈夫だろうって見守ることにします……っていうか、そもそも先輩も負けず劣らず変ですもんねフフッ!」
珠美はわざとらしくテヘペロと舌を出し、それからこてんと隣の澄花の肩に頭を乗せた。
「ってゆうかぁ、私も結婚式行きたかったです~!」
「あ、そのことなんだけど……身内向けの結婚式は終わったけど、彼の会社関係のお客様を招待する披露宴はこれからなの。よかったらタマちゃん、来てくれない?」
澄花が招待する客といったら、正直言って丸山夫妻と珠美くらいしかいないのだ。