お気の毒さま、今日から君は俺の妻
無理に来てもらうのも申し訳ないと思っていたのだが、珠美本人が行きたいと言ってくれたのは嬉しかった。
「えっ、いいんですかぁ!? 行きます、行きます、ぜぇったい、行きますっ!」
珠美は目をキラキラ輝かせながら、ブンブンと首を振ってうなずいた。
「これから準備だからたぶん夏ぐらいになるとは思うんだけど」
「大丈夫ですよ~う! ぜええったいスケジュール空けておきますからっ! 二次会でイケメンゲットしないと!」
グッと親指を立てる珠美を見て、同時に涙腺が緩む。
(やっぱりタマちゃんはすごいな……)
自分が同じ立場になったら、こんなふうに笑えるだろうか。
出会って約一年だが、彼女と出会えたことも自分にとって間違いなく財産だった。
そう思う澄花だったのだが――。
「話は終わったのか」
すぐ傍から男性の低い声がして。
「えっ!?」
「誰ですかぁっ!」
乱入者の声に、澄花と珠美は驚いて跳ねるようにカウンター席から飛び上がった。