お気の毒さま、今日から君は俺の妻
なによりこんなに明るい時間から抱き合えるほど、心臓が強くない。
(全部見られてしまう……)
龍一郎は大理石でできた彫刻のように素晴らしい体をしているが、自分は特別スタイルがいいわけでもなんでもないのだから。
だが黙っていても通じるはずがない。
「だって、明るいから恥ずかしくて……」
そう絞り出すように答えて、うつむいた澄花はハッとした。
「でも、こういうの、しらけますよね……ごめんなさい……」
勝手な妄想ではあるが、龍一郎ほど地位も財産もあって、なおかつ誰もが見惚れるような美男子なら、ひくてあまたであったはずで、当然過去の女性経験も多いだろう。
そんな経験豊富な龍一郎の前で、やたら恥ずかしい恥ずかしいと連呼して、逃げ回りたくなるのは、さぞかし子供っぽく見えるだろうし、二十五歳という大人の女性としてどうなのだろうかと思ってしまう。
いろいろあったが、誰に強制されたわけでもなく、自分は納得してこの男の妻になったのだ。
確かに契約結婚ではあるが、彼は澄花の願いを叶えてくれて、なおかつ大事にしようとしてくれているのだから、澄花だって彼を大事にしなければならない。