お気の毒さま、今日から君は俺の妻

 ずっとあれこれ考えていたが、少しだけ先が見えたことで、体から力が抜けた。
 そしてうやうやしい、騎士が姫君にするような龍一郎のキスに、澄花は甘い陶酔のような感情を覚えながら、うなずいた。


(嘘はつかれていない。それだけは間違いない)


「――はい。わかりました」


 澄花はそれからゆっくりと息を吐いて呼吸を整えると、両手でそっと龍一郎の手を包むようにして握り返した。
 そしてそっと、彼がしてくれたように、ほんの少しだが、龍一郎の長い指の背に口づけた。


「ふつつかものですが、努力します。どうぞよろしくお願いします」


 そしてペコッと頭を下げると同時に、ぐるんと視界が傾いた。


「きゃあっ!」


 思わず悲鳴を上げてしまったが、階段から落ちたわけではない。
 龍一郎が澄花をひょいと抱き上げてしまったのだ。しかもまるで荷物でも載せるかのように軽々と、肩に抱えてしまった。


「龍一郎さんっ!?」


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