お気の毒さま、今日から君は俺の妻

 とはいえ、天宮は優美な王子様タイプで、すらりと背が高くほっそりしている。無駄なぜい肉などひとかけらもついているように見えないので、実際はきちんと管理しているのだろう。


「そういえば、社長はゆでたまごとシリアルしか召し上がらないって聞いてましたけど」


 あくまでも噂だが、社長の偏食ぶりは社内でも有名だった。


「ああ……それは改善されてるよ。奥方様がよく出来た人でね。ちゃんと食べさせてる。まぁ、俺たちとしてもあの人の身に何かあったら困るから、健康で長生きしてもらわないと」


 ふふっと冗談ぽく笑う天宮に、澄花も笑ってうなずく。


「そうですね」


 そこではらりと、頰に髪がひとふさ落ちる。後ろでまとめていた髪が緩んだようだ。右手で耳に髪をかけると同時に、ふれた耳たぶに違和感を覚えた。


「あっ……」
「どうしたの?」


 それまでニコニコしていた天宮が、首をかしげる。

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