お気の毒さま、今日から君は俺の妻
「あ、そうだ! お兄ちゃんのケーキと一緒に写真撮らなきゃ~! ほら、先輩もっ!」
珠美は花のケーキをじっと眺めている澄花の腕を取って引き寄せると、次の瞬間には、スマホでパシャリと自撮りをおさめる。
「先輩のスマホにも送っときますねっ」
「うん、ありがとう」
ニコニコ顔の珠美がスマホを操作してものの数秒でバッグの中に入れていたスマホの振動が伝わってきた。
「はーっ、それにしてもいきなり不意打ちで撮っても先輩はきれいですねぇ~」
感心している澄花の横で、珠美はスマホを眺めながらニコニコと笑っている。
彼女の手元を覗き込むときょとんとした自分と笑顔の珠美、そして背後にケーキがきちんとフレームインしていた。
「そう? 相変わらず変な顔して映ってると思うけど……」
「それは先輩がカメラ目線になれてないだけで、変な顔ではないですっ。むしろ違った魅力で、キュンキュンですっ」
珠美は真剣に言いつのる。
「目は外国人みたいにぱっちり平行二重だし、鼻はしゅーっと高いし、唇は口角が自然に上がってるし、フェイスラインは玉子型だし、首はすらっと細くて長いし――」
「もうそのへんでいいから……」
彼女の褒め殺しはいつものことだが、さすがに人目が気になる。恥ずかしい。