お気の毒さま、今日から君は俺の妻

 澄花は線香に点火して香炉に立てる。線香のいい香りが空に昇っていく。


「本当に暑いね……お水たくさん飲んでね」


 話しかけながら墓石にたっぷりと水をかけ、正面に移動し、合唱した。


(ハルちゃん……いつも私の事を見守ってくれてありがとう。ハルちゃんのことだからいつも私がなにかひどい思い付きでひどいことをやらかすんじゃないかってハラハラしてると思うけど……家族や周りの人を大事にして、誠実に生きられるようがんばりますので、どうぞこれからも見守ってください)


 澄花の次は、龍一郎だ。同じように線香を香炉にさし、水をかけてから手を合わせる。

 ずいぶんとお参りの時間が長い気がしたが、澄花は黙って一歩引いたところで、それを見守っていた。


「――帰ろうか」


 ゆっくりと合わせていた手を下ろした龍一郎が振り返る。


「はい」


 すると龍一郎が空いた方の手をすっと手を伸ばしてきた。手を重ねるとぎゅっと握りしめられる。

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