お気の毒さま、今日から君は俺の妻
日差しは熱い。繋いだ手も熱い。
だがそよそよと風がなびき、龍一郎の黒髪を揺らす。
結婚式に合わせて少し短めに切っていたのだが、最近少し伸びたようだ。
「龍一郎さん、一緒にお墓参りに来てくれてありがとう」
「当然だ……君の大事な人だ。そしてきっと俺にとっても……」
龍一郎はそう言って、ゆっくりと歩き始める。
「ついでに言えば、男として嫉妬もするが……もうこればかりは仕方ない」
霊園を出て隣接している駐車場に向かうと、龍一郎の車があった。
ちなみに古河が運転手を辞めたので、龍一郎はあの仰々しい車からレクサスに乗り換えたのだ。ちょうど時間が隙間の時間だったのか、車は自分達だけだった。
「海の側でも走ろうか」
空調を入れ、シートベルトを締めながら、龍一郎が隣の澄花に尋ねる。
ドアを閉めても、蝉の声がまだうるさいくらいだ。
「ドライブデート?」
「そのまま馬に乗りに行ってもいいが、どうする?」