ただ、そばにいたいだけ。
嫌そうに振り返る新くん。


本当に彼女なのか、疑ってしまう。
そんな嫌そうな顔全面にだされるといくらわたしでも躊躇してしまう。


…まぁ彼女であって彼女ではないみたいなものだけど。


「えっと…、」



追いかけてみたものの緊張で言葉がでてこない。



そんなとき、



…ぎゅるるるる。



沈黙の空間で突如なった音。


や、や、やらかしたぁぁぁぁ!!!


犯人はわたしのお腹だった。
地鳴りレベルのそれは、確実に新くんの耳にも入っているだろう。


お腹がなるなんて、わたしのばか!!!はるとくんのまえで、恥ずかしすぎてどうにかなりそう。



恐る恐る新くんを見るといつものポーカーフェイス。

…笑ってくれたほうが、まだマシだったかもしれない。
誰かわたしを埋めてください。





「腹、減ってんの?」
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