ただ、そばにいたいだけ。
何の感情も見えないその端正な顔は、お腹がなるのは何も恥ずかしいことじゃないって勘違してしまいそう。
「え…あ、うん。ちょっとだけ」
嘘。めちゃくちゃすいています。
だってもうお腹なりそうな予感がするんだもん。
すると新くんはさっき買ったばかりのそれをわたしに差し出すとこう言った。
「食べれば?」
「え、でもあらたくんは…?」
「別にそんな腹へってない」
新くんの気まぐれな優しさ?に、ドキドキが加速する。
どうしようと思っていると新くんはパンをわたしの手ににぎらせ、また歩きだしてしまった。