❆LastChristmas❆
《細田!》

悪戯のように笑う、あの佐藤の顔が好きだったんだ。


佐藤とバカやって笑うあの空気が

雰囲気が


居心地良かったんだ。

だけど、あの日突然あたしは佐藤に告白された。


その時、今まで一緒にいた空気が壊れたんだと思った。


…怖かった。


佐藤との今のこの関係が壊れるんじゃないかって…。


佐藤は、それも覚悟の上で真正面からあたしにぶつかってきてくれたのに…。


あたしは向き合おうとせず、逃げてた。


ずっとそっぽを向いていた。


「…亜紀?」


今度はあたしが真正面からぶつかっていく番だ。


あたしの気持ち、ちゃんと伝えなきゃ!


あたしはバッグからスマホを取り出した。


「亜紀、何やって!」


「もしもし兼君?…ごめん、あたしやっぱり行けない…。
ちゃんと真正面からぶつかっていきたい相手がいるの。
ごめんなさい。」


ピッ


そして電話を切った。



「亜紀…。」


「恵那、ありがとう!!あたし、行ってくる!」


「うん!頑張れ!亜紀!」


そしてあたしは、会社を出た。





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