❆LastChristmas❆
ああ、あたしはやっぱりこの笑顔が好きだ。

あたしは、思わず口を開いた。



「…やだ。」



「は?」


「清水さんの所、行っちゃヤダ。」


「ちょっと待て、状況が読めないんだけど。」


「…え?だって佐藤が清水さんと二人でいてたって恵那が…。」


「…いてないし。てか、振った。」


(恵那〜〜〜〜)



「で、お前は勘違いしてこっちに来たって事か。」


そう言って佐藤がニヤニヤしながら笑った。


「な!?」


(何かすんごい意地悪じゃない!?)


「…佐藤あたしに意地悪じゃない?」


「まあ、誰かさんに散々酷い事言われたからな。
彼氏いなくて可哀想だと思ったからだの、
そんなふうにみたことないだの」


うっ…。

「…その節は申し訳ございませんでした。」


「本当にな。…俺がそんな軽い男に見えんのかよ。まあ誤解させた俺が悪いよな。悪かった…。」


「…ごめんなさい。」


「もう良いよ。俺が悪かったから。
お前の事さ、最初は友達で良かったんだよ。
でも一緒に過ごしてたらさ、
お前に対していつのまにか歯止め聞かなくなってた。
…だってお前、可愛いし…。」


「え!?」


…あたしが?


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