❆LastChristmas❆
「社長、待って下さい!貰えません!」


「いや、支払いしたし…。」


「そうですけど!」


「ほんっと変わってるなお前…。
普通女なら喜ぶだろ?」


(あんたはキャバ嬢にバッグとかプレゼントする親父か!)


「…それは社長の愛人の人だけじゃないですか。」


不覚にもあたしはツンとした態度を出してしまった。


また、可愛くない態度を取ってしまった…。 



「…何怒ってんの?」


「怒ってません!」 


ただ、副社長との差が出来てしまったからだ。



「…妬いてんの?」



副社長に言われ、図星になる。


「そんな訳ないでしょ!」


「…ぷ。はいはい機嫌直せよお姫様。ほら、行くぞ。」


そしてまた車に乗せられた。


(もう!副社長絶対面白がってる!)


そして私達は再び出発した。

「何だよ、気に入らないのか?」

「…そんな事!!」

「だったら堂々としてろ。お前は今からウチの社員の遠山美月じゃない。
俺の恋人の遠山美月なんだから。」


そう言って副社長は笑った。


私はまた鼓動が早くなった。


しばらくして


「…着いたぞ。降りろ。」

副社長に言われ、あたしは車から降りた。


…え?


何この階段!


…宝塚!?


「良いか、お前は今から姫だ。」



「え?」


「そのヒール高いからな。危ないだろ?」



そう言って手を差し出した。



「!?」



「お手をどうぞ姫。」



その時副社長が、王子様に見えた。



私は副社長にエスコートされながら階段を登った。



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