この恋が実るなら
予約してくれてたレストランは、創作フレンチで、カジュアルな雰囲気のお店だった。
店内はほどよく落とされた照明に、耳に心地いいジャズが流れている。
「予約した、吉川です。」
「いらっしゃいませ。こちらへどうぞ」
黒のロングのギャルソンエプロンをしたイケメンな定員さんが、
窓際の席へ案内してくれた。
テーブルには、小さなキャンドル。
火がゆらゆらゆれて、温かい雰囲気。
窓の外には、イルミネーションがきれいなお庭が見える。
「ここ、ガーデンウェディングとかもできるらしいんだ。だから、庭がいい感じでしょう。」
「そうなんですね。とっても素敵。」
お庭に見とれていると、吉川さんがメニューを開いて渡してくれた。
「何にする?このコースがオススメだよ。メインはこの3つの中から選べるから・・。僕は、和牛の赤ワイン煮込みにしようかな。」
わぁ、どれも美味しそうで迷う。。
「じゃあ、私はワタリガニのトマトクリームパスタで。」
「お酒は飲める方?もしよかったら、食前のワインをたのもうか。」
「少しなら、飲めます。あ、でも吉川さん車だから飲みませんよね。私だけ飲んじゃ悪いから・・」
「いいよ、そんなの気にしなくて。寧々さんにまた会えただけで嬉しいんだから。」
そう言って、甘めの飲みやすい白ワインをオーダーしてくれた。