この恋が実るなら


断言する私を見て、吉川さんが笑った。


「僕は、好きだよ。」


「えっ・・」


さらっと言ったけど、今結構重大な発言だったのでは・・!?


「いや、もちろん、最初はただの一目惚れだし、これから寧々さんのこと、もっともっと知りたいって思ってる。っていう意味。
きっとこれから、もっと好きになる。」



会ってまだ何時間もたってないのに、こんなにはっきり告白されるとは予想外。
ドキドキと心臓の音がうるさい。


「えっと…、あの…。」


なんて返したらいいのかわからない。
こういう時の模範解答は!?
たぶん、いや、間違いなく今私の顔真っ赤だ。


「ごめん、慌てて返事とかしなくていいから。これが、今の僕の気持ち。
これから少しずつお互いの事、知っていけたら嬉しいなと思って。
食べようか。」


ニコニコと、余裕な表情。
本心、なのかな。
あまりにもスマートで、ちょっと不安になる。


「おいしい!」


「でしょう。ここの料理はどれも美味しいよ。前に、新店舗オープン記念パーティーとかもここでやったんだ。」


そっか、だからこんな素敵なお店知ってるんだ。

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