この恋が実るなら
しばらく走ると、日本海に出た。
海の表面が太陽の光でキラキラしてる。
「わぁ、綺麗!私、出身が海のない県なので、こうやって海見ると、『海だ〜!!』って叫びたくなっちゃうんです!」
無邪気に喜ぶ彼女を見て、連れてきてよかった、と思った。
「もういい時間だから、お昼先に行こうか。地元の人が行く美味しい海鮮丼屋さんをネットで見つけたから、そこでいい?」
「はい、嬉しい!私、海鮮もの大好きなんです♡」
リサーチしといたお店に入る。
オシャレ感はないけど、地元の人に愛されているお店、という感じだ。
これまで付き合ってきた女の子達には、やれホテルディナーだの、やれ三つ星レストランだの、やたらオシャレで金のかかるところに連れて行けと言われてたけど、あれはたぶん周りに自慢したかっただけだな。
寧々さんは、そういう雰囲気がなくていい。
一緒にいてとっても、居心地がいいんだ。
目の前で美味しそうに海鮮丼を頬張る彼女を愛おしく眺めた。