この恋が実るなら
唇を離すと、照れながらちょっと肩をすくめて笑った。
「あ、そうだ。キャラメル食べます?」
そう言ってバックからゴソゴソとキャラメルの箱を取り出す。
「なんか、子供の頃、家族で旅行に行く時いつも母がキャラメルを持って来てて。いまでも、ドライブとかする時はキャラメル、って思っちゃうんです。」
そう言いながら、キャラメルを包み紙から出すと、「はい、どうぞ」と俺の口に入れてくれた。
甘い。
「寧々さん、俺は君とずっと一緒にいたい。
恋人として、付き合ってくれる?」
抱きしめる腕の力を、少しだけ強めた。