この恋が実るなら
部屋の明かりをつけると、12畳くらいの広めのリビングの左側に、カウンターキッチン。


あまりごちゃごちゃ物が置いてないからスッキリしてる。


リビングには大きなモスグリーンのソファと、ガラスの天板のローテーブルに、壁掛けの大型テレビ。


散らかってるとか言って、すごく片付いてるじゃない。


キョロキョロしてると、キッチンからグラスとワインボトルを持った蒼一郎さんが


「座ってくつろいで。」


と声を掛けてくれた。


「蒼一郎さん、お片づけとか掃除得意なんですね。」


「いや、今日うまく行けば寧々に来てもらいたいなって思って、頑張って片付けた。」


と、ニッと口角を上げて笑う。


「なんだ、最初からそのつもりだったんですか。」


「だって、前に初デートして以来、ずっと寧々に会いたくてしかたなかったんだ。
こうして部屋で過ごせるのを待ち焦がれてたよ。」
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