お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
でも、休日に会うなんて呪われている。
会社では仕事に集中していれば、まだ耐えられる。
だけど、プライベートに一番会いたくないツートップに遭遇する確率に頭を抱えたくなる。
「奇遇ですね」
「ええ、そうね」
ありさがにっこり笑顔を浮かべるが、こちらは笑う気力もないから不愛想になった。
相手も原因はわかっているだろう。
そう、わかっていて声をかけてきているのだ。
私が精神的に未だに立ち直れていない様を見て、優越感で満たされないのだ。
ありさはそういうところがある女だった。
昔から親に甘やかされて育ったのか、手に持つものはブランド物や流行り物が多く、ころころ変わった。
達彦に興味が沸いたのも私と付き合っていると知った後だと思う。
達彦は見目が整っていて、会社の中でも女性社員から好意を寄せられる存在だったが、ありさが直接的に関わろうとしたのは私に彼氏がいるという話がたまたま出てすぐだ。
『へぇ、谷さんと付き合ってるんですか』
その時のありさの目を細めて緩く口角を上げて笑った顔が頭にこびりついて離れない。
あの獲物を見定めた猫のような顔。
私に何の恨みがあるのか知らないが、その時に達彦を略奪しようと決めたのだろう。
あっさり捨てられるほど、私たちの仲も脆かったけど。
思わず自嘲が漏れそうになったが、引っ込める。
とにかく、相手は私が嫌な思いをすることを望んで声をかけてきている。
そうでないと、普通略奪した相手に声を描けるだろうか。
無意識なら相当図太い神経の持ち主だ。