お見合い愛執婚~俺様御曹司に甘くとらわれました~
完璧子供だわ。
好きだと意識した途端、うまく会話もできなくて、まるで初恋を知った幼女と同じだ。
軽く凹んでいたら、車が私のマンションに着いた。
智哉はスムーズにマンション前に車を停車させた。
「今日はご馳走様でした」
智哉が丁寧に頭を下げるものだから、シートベルトを外した私も条件反射で頭を下げた。
「い、いいえ、安いもので申し訳ないですけど」
「いや、うまかったよ。ああいう、長年続いてる店は生き残ってきただけあってすごいよ」
屈託のない笑顔からはお世辞ではなく本心でそう思っていることがわかる。
こういう偏見とか見た目だけで判断しないところが、また素敵だと思う。
「桜子?」
暗い車内でも智哉の笑顔が輝いて見えて、惚けていたら智哉が怪訝そうにこちらに顔を寄せてきた。
急に詰められた距離に驚くと同時に顔に火がついた。
その時、智哉の双眸も大きく見開かれた。
「じゃ、じゃあっ帰るね!おやすみ!」
荷物を抱えてドアから出るとマンションのエントランスに逃げ込んだ。