恋は盲目、愛は永遠
唯子への思い (伊集院鈴太郎視点)
5日取れた休暇のこと、二人で出かけるハネムーンのことは、唯子には言うなとみんなに口止めしておいた。
それは夫であるこの私が言う、いや、言いたかった。それだけだ。

ようやく休暇のめどがついた日、仕事も早く終わり、唯子と一緒に夕食を摂ることができた。

結婚してから初めて一緒に摂る夕食。
それだけでも私は嬉しかったが、唯子の食べる量があまりに少なく、嬉しさは心配に取って代わった。
サキさんとみさえさんの言うとおり、これくらいしか食べないのであれば、痩せて当然だ。

「すみません」と謝る唯子の顔を見た私は、またくじけそうになった。

この私が唯子に謝らせている。
そしてこの私が唯子にこんな仕打ちをしている・・・。

だがそれもこれで終わりだ。終わらせてやる!と自分を奮い立たせて寝室へ行った。
< 139 / 298 >

この作品をシェア

pagetop