恋は盲目、愛は永遠
「きゃ・・・!」
「今の君は歩けないだろう」
「そう、ですが・・・」
「それに姫抱っこをしている私は、まさに王子だと思わないか?」
「いや、姫だと殿様・・・え!?なんでそれを・・・」
「さっき自分で言ってたじゃないか」と男の人は言って、ククッと笑った。

ああもう、恥ずかしい・・・。
この状況にも、自分で言ったことにも。

急に男の人が歩き出したので、私は咄嗟に彼の首に両手を巻きつけた。
「いい子だ」と彼が言って、微笑んだ・・・ように見えた。

ぼやけて見えたその微笑は、とても妖艶だと思った。

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