恋は盲目、愛は永遠
ビバ・フォーエバーラブ!!(最終話)
「あ・・・確かにこの部屋は屋敷の寝室ですね。ベッドの感触も。お布団の肌触りも。黒のシルクのシーツの滑らかさも・・・」と私は言いながら、鈴太郎さんの手を握った。

「私、どれくらい寝てたんでしょうか」
「5日だ」
「・・・ええっ!!」と驚く私の額に、鈴太郎さんがそっと手を当てた。

「やっと熱が下がったな。おまえはアイルランドのあの森で、急に意識を失った。ひとまずジェットを飛ばして屋敷に戻ったが、唯子の意識は戻らない。高熱は出ているが、医者にも原因が分からないと言われてな。だが時折私は起こして、無理矢理解熱剤を飲ませていた。もちろん口移しでな」
「ぁ・・・やっぱり・・・。なんとなくだけど、まずい味は覚えていますよ。あれ、薬だった・・・」と言いながら、私ははっとした。

自分で作った解熱剤を飲ませてユージーンを看病していたティア。
まずいという感覚ははっきり覚えていると言ってたユージーン。
これじゃあ立場が逆転だ。

私はクスッと笑った。
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