恋は盲目、愛は永遠
「鈴太郎さんのことも、私はとっくに許していました。ただ自分の気持ちが分からなくて、言えなかったんです。鈴太郎さんが私のためにしてくれたこと。今世だけじゃなくて、過去生すべて私のためにしてくれたことを、私は5日間で見てきましたよ」
「それで私は唯子に何をした」
「私を救おうと奔走してくれました。今世のように。鈴太郎さんと夫婦になれたのは、今世が初めてです。本当にやっと恋人として出会えたんですよ、私たち」と私は涙声で言いながら、鈴太郎さんの柔らかい黒髪を優しくなでた。

「そうか。ではこの関係を大切にしなくては・・・したいんだが」
「はい。お互い許しあえた私たちは、永遠に愛し合うんです」と私が言うと、鈴太郎さんはガバッと顔を上げて私を見た。
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