恋は盲目、愛は永遠
「鈴太郎さん。私の視力は悪くなる一方で、このままだと全盲になる可能性があります。そんな私と結婚するなんて考えは、どうか捨ててください」と私が言うと、鈴太郎さんが私の顎に触れていた手を外した。

そう。これが現実。
鈴太郎さんも目が覚めたんだ。

いろいろな気持ちが交差して、とにかく泣きたくなった。
でも今はまだダメ。
鈴太郎さんたちが帰られるまでは・・・。

と思っていたのに、鈴太郎さんから「唯子は全盲になることが怖いのか?」と聞かれた私は、思わず鈴太郎さんの顔を見た。

漆黒の瞳。美麗な顔立ち。
この人の姿が見れなくなることはとても悲しい。そして・・・。

私は「はい」と答えてコクンとうなずいた。

怖い。
ある朝目が覚めたら何も見えなくなっていたらと思うと、とても怖い。

でも、もしそこに・・・私のすぐ横に、鈴太郎さんがいてくれたら・・・?
そんな想像をしてしまった私の頬に、ポッと赤みがさした。

「そうか。そのときは私の両目を唯子にやろう」
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