一途な社長の溺愛シンデレラ
絵里奈も嬉しそうに席に戻り、ファイリングの続きにとりかかった。
そんな従業員たちを「やれやれ」というふうに笑いながら見守っている社長にこっそり視線を送りながら、私は考えていた。
これまでにも社長は私たちをちょくちょく食事や飲みに連れて行ってくれたけれど、いつもは事前に日にちを決めて前もって店に予約を入れていた。
そんなふうに計画的に物事を進めるタイプの彼が、今日になって急に私たちを飲みに誘う理由。
頭の中に、ぽっかりと月の浮かんだ夜の景色が思い浮かぶ。
おそらく、と思った。
社長は、家に帰りたくないのだ。