一途な社長の溺愛シンデレラ
「やっぱりいい。言うな」
「なんですかそれー!」
私の口を押さえて目を逸らす社長に、息を詰めて様子をうかがっていた絵里奈が声を上げた。
私から少し距離を取るようにして、社長はつぶやく。
「いや、なんか、怖い」
「なんすかそれ……」
絵里奈に続き、西村さんのため息が聞こえた。
社長の手に口を押さえられながら、私はここ二週間のことを思い返していた。
残業を終えた後は、いつも私と西村さんと社長の三人で戸締りをして会社を出ていた。
反対方向の西村さんと別れた後は社長とふたりで地下鉄に乗り込み、そして、私は毎日社長をマンションまで尾行した。