一途な社長の溺愛シンデレラ
私の部屋まで一緒に来る日以外は、最寄り駅の一つ手前で下車する社長に気づかれないように、いつもドアが閉まる直前で同じホームに降りていたのだ。
社長のマンションの前には、毎日のように尖ったヒール靴の女がいた。
ふたりに見つからないように暗闇に紛れながら、私は、社長が彼女と一言も口を利かないでエントランスに入っていくのを眺めていた。
彼女はそんな社長を罵倒し、怒ったように大通りに戻ってタクシーで去っていく。
そんな一連の出来事が、判を押したように毎日繰り返されていた。
彼女はきっと、待ち伏せのみならず、メッセージや電話も懲りずに送っているにちがいない。