一途な社長の溺愛シンデレラ

 だけどそれはとても一方的な行為で、不自然な形に思えるのだ。

 注ぎ続けた水は、いつしか枯れてしまう。

 私に与え続ける一方では、いつか社長は疲れてしまう。そんな関係のまま、ずっと甘えていてはいけない気がする。

「私は社長に、なにもあげられない」

 いつだか考えたことが、脳裏をよぎった。

“感情が見えない“というのは、周囲の人間からしたらゼロではなくマイナス。

 人の感情どころか自分の感情すらわからなくて、表情にも出ない私は、きっと社長の気持ちをマイナスにしてしまう。

「ごめん、うまく言えないけど……私は、感情が出ないから」

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