一途な社長の溺愛シンデレラ

「社長と一緒にいる時間は楽しいし、すごく安心できる」

 なにより、私のすべてを受け入れてくれる。

 生活能力がなくて、社長がいなければ生きることすらままならない私を、表面上では母親みたいに小言を並べながらも、まるごと認めてくれている。

 無条件で、包み込もうとしてくれている。

 だからこそ、私はためらう。

「このままだと、ダメな気がする」

 社長は表情を変えなかった。

 真剣な目で、私の言葉の一つひとつを拾い上げるように聞いている。

「私は社長から、与えられてばかりいる」

 高いところに溜まった水が、自然法則にしたがって低いところへ流れ落ちるように、社長は私にさまざまなものを注いでくれている。

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