今宵、エリート将校とかりそめの契りを
浜辺に打ち上げられた魚のように、パクパクと口を開けるだけだ。
「自信がないか? だったらその前にさっさと殺してくれても構わない。もちろん……できるものなら、な」
総士は琴を挑発するように、ゆっくり言葉を切って言い捨てた。
琴はグッと言葉をのみ、勢いよく総士から目を逸らす。
「忠言しておく。今日のように、外で何度襲いかかってきても無駄だ。俺はお前ごときに殺されるほど、簡単でやわな男じゃない。まあ、この家の中では、いくらか油断することもあろうが」
袴を握りしめる琴の手がわなわなと震えているのをじっくりと見て、総士は身体を起こし、スッと背筋を伸ばした。
「総士様……お戯れはおよしください」
呆れ果てた様子の忠臣が、背を起こした総士の肩に手を置き、力を込める。
「なにを好き好んで、自分に殺意を抱く人間に隙を見せようと……」
「わかりました。それなら私、あなたの妻になります」
主人を諌める忠臣を、琴が遮った。
先ほどまで明らかに怯んでいた琴が、凛として張り上げた声に、忠臣がギョッと目を剥く。
総士は一瞬面食らった様子を見せながらも、すぐに面白そうに小首を傾げた。
「ただし……この結婚はあくまでも仮初めのもの。一生涯連れ添う誓いは致しません」
わずかに顔を強張らせながらも、琴はしっかりと胸を張る。
「自信がないか? だったらその前にさっさと殺してくれても構わない。もちろん……できるものなら、な」
総士は琴を挑発するように、ゆっくり言葉を切って言い捨てた。
琴はグッと言葉をのみ、勢いよく総士から目を逸らす。
「忠言しておく。今日のように、外で何度襲いかかってきても無駄だ。俺はお前ごときに殺されるほど、簡単でやわな男じゃない。まあ、この家の中では、いくらか油断することもあろうが」
袴を握りしめる琴の手がわなわなと震えているのをじっくりと見て、総士は身体を起こし、スッと背筋を伸ばした。
「総士様……お戯れはおよしください」
呆れ果てた様子の忠臣が、背を起こした総士の肩に手を置き、力を込める。
「なにを好き好んで、自分に殺意を抱く人間に隙を見せようと……」
「わかりました。それなら私、あなたの妻になります」
主人を諌める忠臣を、琴が遮った。
先ほどまで明らかに怯んでいた琴が、凛として張り上げた声に、忠臣がギョッと目を剥く。
総士は一瞬面食らった様子を見せながらも、すぐに面白そうに小首を傾げた。
「ただし……この結婚はあくまでも仮初めのもの。一生涯連れ添う誓いは致しません」
わずかに顔を強張らせながらも、琴はしっかりと胸を張る。