今宵、エリート将校とかりそめの契りを
「警戒を解くのはまだ早い。これだけの見物人を前に俺に刃を向けたからには、それ相応の罰を受けてもらう」
総士は琴の不安を煽るように言い捨てると、鞍に足をかけ、颯爽と馬に跨った。
その傍らに怪訝そうに立ち尽くす琴を馬上から見下ろし、彼女に長い腕を伸ばす。
「乗れ」
短く不遜な命令と同時に、強く肘を引かれた琴の足が、ふわりと地面から浮き上がった。
「きゃあっ……!」
足元が覚束ず、琴は小さな悲鳴を上げた。
捕まるものを探して、自由な片手で宙を掻く。
バタつかせ足先が、鞍に引っかかった。
それを見て、総士はさらに腕に力を込めた。
華奢な身体を、一気に馬上に引き上げる。
手綱を持つ両腕の中に囲い込むようにして、琴を座らせる。
見物人の女性たちが、またしても悲鳴を上げた。
「なっ……なにを……」
いきなり引っ張り上げられ、馬に乗せられた琴が一番困惑している。
彼女は背後の総士を肩越しに振り返り、戸惑うような声をあげた。
しかし総士は彼女には答えない。
眼下に二人の警官を見下ろし、「後は頼んだ」とだけ告げると、勢いよく手綱を引いた。
馬はいななき、両足を上げて方向転換する。
驚きで眦が裂けそうなほど目を見開く琴を乗せたまま、総士は進行方向に逆行するように馬を走らせ、パレードから離脱した。
総士は琴の不安を煽るように言い捨てると、鞍に足をかけ、颯爽と馬に跨った。
その傍らに怪訝そうに立ち尽くす琴を馬上から見下ろし、彼女に長い腕を伸ばす。
「乗れ」
短く不遜な命令と同時に、強く肘を引かれた琴の足が、ふわりと地面から浮き上がった。
「きゃあっ……!」
足元が覚束ず、琴は小さな悲鳴を上げた。
捕まるものを探して、自由な片手で宙を掻く。
バタつかせ足先が、鞍に引っかかった。
それを見て、総士はさらに腕に力を込めた。
華奢な身体を、一気に馬上に引き上げる。
手綱を持つ両腕の中に囲い込むようにして、琴を座らせる。
見物人の女性たちが、またしても悲鳴を上げた。
「なっ……なにを……」
いきなり引っ張り上げられ、馬に乗せられた琴が一番困惑している。
彼女は背後の総士を肩越しに振り返り、戸惑うような声をあげた。
しかし総士は彼女には答えない。
眼下に二人の警官を見下ろし、「後は頼んだ」とだけ告げると、勢いよく手綱を引いた。
馬はいななき、両足を上げて方向転換する。
驚きで眦が裂けそうなほど目を見開く琴を乗せたまま、総士は進行方向に逆行するように馬を走らせ、パレードから離脱した。