共同生活
「早く早く!」


と言って俺の手を引く奈々さんに連れられて店内に入る。


意外と広い店内を一周して色々な食材を買うと、かなりの重さになった。これは女の子一人で買いに来るには厳しいだろう。


「はぁ...はぁ...これで全部ですか?」


「あとね、お米」


「はぁ?そんなに持ち切れないですよ!」


「大丈夫大丈夫〜」


と言いながら奈々さんは俺に10kgの米を持たせる。正直腕が限界で、俺はふらふらしながら駐車場へ向かう。


「もう!情けないなぁ...」


手ぶらだった奈々さんがやっと袋を持ってくれる。俺のサポートをするように、端っこをちょこんと摘んでいるだけだが...。


「光次はこんなの軽く持ってくれるわよ?」


くっ...そう言われると自分でも情けなくなってくる...。
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