共同生活
いらついた俺は奈々さんにそっぽを向くように窓の外に目を向ける。


「ナオちゃん怒っちゃった〜?」


信号待ちで止まった時にそう言って俺の肩を揺さぶってくる。


「いえ...別に怒ってないですよ。」


「やっぱ怒ってんじゃん!かわい〜」


そう言われて怒りたいのだが、振り返った時に勝手に俺のジュースに口を付けて飲んでいる奈々さんを見てドキッとしてしまい何も言えなくなってしまった。やはり俺は子供なんだろうか?


そんなやり取りをしている内に全く見たことのない所まで来てしまった。ここで置いてかれたら絶対家に帰れないだろうな...。


「着いたよ!ここのスーパーで買い物しよ!」


駐車場に車を停めると奈々さんはスーパーを指さして嬉しそうにそう言った。


なんだ、自分だって子供っぽい所あるじゃんか。
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