共同生活
「ナオも上手いじゃん!」


「そうですか?結構母親の手伝いとかしてましたからね。」


「これからは私がいてもナオに作ってもらおっかな〜だって光次はめんどくさがって作ろうとしないし、真希ちゃんは...ね。」


最後まで口にしなくても奈々さんが何を言いたいのかが手に取るようにわかる。


「あれ?二人でお料理してるの?」


「うぉっ!大家さん!」


気付くとキッチンの入口に大家さんが立っていた。いつの間に...。


「うん、真希ちゃん見て見て〜ナオも結構切るの上手いのよ。」


二人で俺の手元に顔を寄せてくる。


「そうなの?あっ本当だ〜棗さん上手ですね。」


「あ...ありがとうございます。」


何か二人に褒められると照れ臭いな、やりづらいぞ。


「あれ?棗さん泣いてる...。」


「ああ、玉ねぎ切ってるから...。」


「私、代わります!」


「結構です!!」
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