きみに初恋メランコリー
ちなみに今は昼休みではあるけれど、今日は花音ちゃんと、あのピアノのある部屋に行く約束はしていない。

だいたい1週間のうち水曜日か金曜日、もしくはその両方に集まる。そんな決まりごとのようなものが、いつの間にか出来上がっていた。

今日は、休み明けの月曜日。……彼女と次に会うのは、2日後か4日後か。


俺はズズッと一気に牛乳を飲み干すと、コンビニ袋の中にパンのゴミとブリックを押し込んでぎゅっと口をしばる。

それを片手に、俺は座っていた椅子を立ち上がった。



「ちょっと俺、外出てくるわ」

「おー、いってら~」



特に干渉するでもなく、あっさり男友達に送り出された。

俺は教室の前方にあるゴミ箱にコンビニ袋を捨てて、出入口のドアをくぐる。

何か言いたげだった乾の視線には、気づかないフリをした。
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