甘すぎてずるいキミの溺愛。
そして、その場から逃げるように
「何か飲み物でも買ってくるね」なんてわざとらしく保健室を出ていった。
だけど、すぐに入れ違いで誰か入ってきたのがわかった。
保健室の薄いカーテンからその人の姿は、はっきり見える。
そして。
「花井さん、大丈夫?」
わたしを隠していたカーテンは簡単に開けられてしまい、そこには今わたしが1番会いたくない人がいた。
「空園…せんせ…い」
わたしが声を出すと、シャッとカーテンを閉めきられ、2人っきりという空間を作られてしまった。
また、何かされるのではないかと、警戒心が働く。
それを向こうも感じ取ったのか。
「やだ、そんなに怯えないで?今日は何もするつもりはないから」
ドンっと自分が座る横に、昨日わたしが準備室に置いていった荷物を置いた。