甘すぎてずるいキミの溺愛。



この人はどこまでわたしを惨めにさせれば気が済むの…?


「なーんか、その言い方だとわたしが悪い人みたいに聞こえちゃうじゃない」

「………」


すると、さっきまで縛っていた髪をほどいた。

花の香りがする。

そして、自分の髪をくるくるといじりながら。


「まさか、こんな子に取られるなんてね」

意味のわからないことを言ってきたもんだから、どう反応したらいいかわからない。


「あなた昨日戻ってきた時、どこまで見てたの?」

「ど、どこまでって……」


「わたしが尊くんに迫ってキスするところまで?」

「っ……」


また、思い出したくもないものを思い出させられるこっちの身にもなってほしい。

それとも、それもわたしを苦しめるための計算だろうか…?

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