甘すぎてずるいキミの溺愛。
でも、そんなことできるわけもない。大切にしたいと思う子ほど、どう接したらいいかわからない。
自分の欲望のままにしてしまえば、歯止めが利かなくなるのは見えてる。
だけど、きっと優しい千湖はそんな僕を受け止めてくれると思う。
だいぶ無理をするだろうけど。
「……頼むからあんま無防備な姿見せないでよ」
独り言が口から漏れた。
すると。
さっきまで、眠っていた千湖が目を覚ましたようで。
目を見開いてこちらを見ている。
そして、パチパチと数回まばたきをすると。
「みことくんだぁ……」
そのまま勢いよく抱きついてきた。
ほんのり千湖の甘い匂いがする。
あー……もうほんと勘弁してよ。
ただでさえ理性グラグラだっていうのに、さらにぐらついてきた。