復讐をするまで忘れずに…
第3章
高橋さんの事件から早くも2週間が経った。



「今日も事件起きないといいな」


私はそんな独り言を言いつつ、G市警刑事部捜査一課の部屋に入った。



しかし、私の夢はすぐに打ち消された。


ピピピピー



署内の電話が鳴り、そこにいた数名の警察官が出て行った。


「また事件かよぉ」


私を始めとした誰もが思ったことを口にした。



今回もまた、殺しだった。


しかし、私は担当から外れていた。


理由は、前回の事件で、私が倒れかけたからだという。


私に無理をさせるわけにもいかないし、捜査の邪魔にもなるんだろう。



しかし、誰が被害者なのかは、担当だった凛先輩がこっそり教えてくれた。


「本当なら話すべきじゃないんだけど、桜良のこと見てると、ちょっと可哀想に思えたから。みんなには黙っててね」


そう言われた。


「被害者は、本川梨沙子さん、57歳。今までの二回の事件とは年齢が全然違うからみんな、関係ないって思ってるんだけどね」


そう教えてくれた。


関係ないなら良かった。


これ以上、連続殺人犯を作りたくない。



教えてくれたのは飲みに行った時だったし、部屋は個室だったから誰にも聞かれていないはずだった。



しかし、



「おい、桐谷、岡辺」


課長に呼ばれてしまった。


私たちは何事もなかったように普通に先輩の指示に従った。



しかし、内容はやはり、



「桐谷、お前、岡辺に今回の情報を教えただろ。」


バレてしまった。


私たちは目を合わせた。


「いえ、決してそんなことは」


凛先輩が必死に拒否をしている。


私も続けて、


「そんなの知りません。確かに私は、今回の事件で担当を外されてちょっと残念でしたが、皆さんに迷惑かけるつもりもないので」


と、言った。
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