復讐をするまで忘れずに…
「聞いてます。事情聴取なんですよね」


その声は小さく、弱かった。


「はい。いくつか質問しますが、失礼してもよろしいですか」


私は、出来るだけ丁寧にでも短く言葉を選んだ。
ここまで言葉を考えて話したことはない。
ダメだな。


「いいですよ。あっ、お茶今買ってきます」


「あっいえ、大丈夫ですよ」

私は病室の中心に行き、高橋舞さんのベッドの前に座った。
舞さんは暗い顔でテンションも低そう。


私は形式通りの質問を始めた。


私は所々に雑談も入れたり、タメ口で話したりなど舞さんに打ち解けてもらうための工夫もした。



「ちなみに舞さんは、なんの仕事してるの」


「小学校の先生です」


「小学校の先生か。小学生って可愛いよね。息子が来年から小学生になるんだけどね」


「そうなんですか。まだ若いのに大変ですね」


まだ舞さんは敬語を使ってる。


私が年上だと知ったからなのかも知れないが。
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