復讐をするまで忘れずに…
「でも子育てって楽しいこともあるよ。こどもの成長とか感じられるし。」


「そうですよね。でも、私、小学校の時嫌な思いしたんで、本当は小学校の先生なんかになりたくなかったんですよ。」


舞さんは泣きそうな声で言う。



「嫌な思い?もし差し支えなかったら教えてくれない?」


私はなるべく舞さんが悲しまないように言った。


しかし、これが事件の解決へと一歩踏み出すとは思っていなかった。


「あっはい。いいですよ。でも話が長くなっちゃいますけどいいですか?」


「はい。大丈夫」


私がこれから聞こうと思っていたところで運悪く面会終了の時間になってしまい、看護師がやって来てしまった。



「じゃあ、明日もくるからまた来るね」


そう言って私は病院を抜けた。


そして、切っていた携帯電話の電源を入れ、署に電話をした。


『もしもし?岡辺?どうだった?』


案の定、電話に出たのは波瀬先輩だった。


「はい。舞さんはまだ暗かったですけど、特に進展はなさそうです。これからそっちに向かいます。」


『そうか』


それだけ言うと電話は切れてしまった。
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