復讐をするまで忘れずに…
「ただいまー」


今日は将哉の方が遅かったみたい。


私が帰った時はまだ誰もいなかった。


そのあと、2人を保育園まで迎えに行き、家で2人を寝かしつけていると、将哉が帰って来た。


「おかえり、今日は遅かったんだね」


もう10時を回っている。



「いつもこんなもんだよ。2人はもう寝てる?」



将哉が聞いてきた。


「そっか。もう寝たよ。ご飯食べよ。」



私たちは久し振りに2人でゆっくりとご飯を食べた。



「桜良は?今日お墓参りだったんだろ?どうだったんだ?」



「うん。行ってきた。遅くなっちゃったけど誕生日のお祝いしてきた。」


私は今日の話をしていると涙が手に乗っかった。



「そっか。辛いな。血の繋がった人、結斗と結菜しかいないもんな。」


「うん。なんで死んじゃったんだろう。一緒に生きようって言ってたのに」


「でも火災だったんだろ。桜良が生き残っただけ良かったって思いなよ。桃音さんもそれを願ってると思うけどな」


将哉が言った。


しかし、今の私にはそれが最悪の言葉にしか聞こえなかった。



「何言ってんの!将哉にはわかんないかも知れないけど!お坊ちゃんで、何不自由なく両親に育てられた一人っ子の将哉には!」


私は何かが吹っ切れたように言ってしまった。



「あ、ごめん。私馬鹿みたいだね。子供だね」


私はすぐに謝った。


将哉は私が強く言ったのに対して驚き過ぎて話を聞いてなかったみたいだけど。



「あ、お互い辛かったよな。」


将哉は思い出したように言った。
< 4 / 52 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop