復讐をするまで忘れずに…
後日、私は隣町の桃音のお墓に行った。



こっちは本当のお墓だ。



「桃音、久しぶり。こないだ、『天空』で生き残った人たちのほとんどの人を殺しちゃった人がいたんだ。私がね、犯人見つけたんだけど、死刑になった。」




私は、桃音に一連の事件のことを話した。




「犯人ね、小林先生の娘さんだったの。その人、小林先生亡くなってショックだったみたい。それでみんなのこと殺しちゃったんだって。」



私はまだまだ続けた。



「でもね、その人悪いことばっかしたんじゃないんだよ。桃音を殺した犯人、見つけてくれたの」



私は本川先生のことも話した。



「犯人ね、火事の日にいたうちの2人の先生だったんだ。片方は死んじゃったんだけど。でもね、せっかく、せっかく、見つけて、くれたのに」




私は、思わず泣いてしまった。



涙で、話せない。




桃音や先生たち、友達みんなを殺したのになんの処分にもならないなんて。



辛すぎる。


辛すぎる。



「しょ、証拠、ふ、不十分、でね、たい、ほ、されなかったの」



私は今まで溜めてきた、辛さを吐き出してしまった。



妹の前ではなるべく泣かないって決めてたのに。



でも、家では結斗たちがいるし、他に泣けるところなんてないし。



桃音の前だけ、素の自分を出せる。




そう思ってきた。
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